社会が求める食材を作る
美味しい野菜を全国の食卓へ

沖縄市

山内誠さん

山内ファーム

2020.06.25

 

今回紹介する農家は美味しい有機野菜を栽培する山内ファームの山内誠さん。ズッキーニなどのイタリア野菜やうるマルシェで人気のオクラなど、美味しい野菜をつくることにやりがいを感じる山内さんの農家としての歩みを聞いてみました。


教員から農業の道へ

教員から農業の道へ

私は農家になって8年目になりますが、前職は教員をしていました。理科の教員として生徒たちの成長を見守りながら日々過ごしていました。その時期に室内栽培でトマトを栽培したことがきっかけで、作物を栽培することにのめり込んでしまいました。教員としての日々業務に取り組む以上に農業を本格的に始めてみたいという想いが強くなってしまい、教員をやめて農家として生活しようと決心しました。

そして本格的に農業を始めるために、県内の農地を探し回っていました。そして今の農地と巡り合えたのですが、何度も訪れて見学しているうちにここで農業を営んでいる方と仲良くなり、その方も年齢や体の状態から譲ることを考えていたようでスムーズに農地を引き継ぐことができました。それから農家としての生活はスタートしました。

社会に求められる食材をつくる

農家として最初に栽培したのはトマトでした。でもそれだけでは生活が成り立たないので色々な野菜を栽培してきました。現在ではハーブやブロッコリー、ズッキーニ、オクラ。キャベツなど多品目を栽培しています。小さな農場で多品目を栽培していますが、それが農家としての強みだと思っています。当初は栽培した野菜をうるマルシェやロジャースにおろしていたのですが、そこでハーブやズッキーニなどなかなか沖縄では手に入らない食材を求められたので、その食材を美味しく栽培して届けようとはじめてみました。求められる食材を栽培していくことで安定的な受注にもつながり、農家としての経営も落ち着いてきました。

この農地の特徴にあう食材を
土づくりへのこだわり

この農地の特徴にあう食材を
土づくりへのこだわり

私の栽培する作物のほとんどは葉野菜です。それには理由があって、この農地の土の特徴が葉野菜にあっているからです。土には有機肥料をつかっています。この肥料と土の相性がとても良いのに加え、この土地の下には水脈があるようで、掘ったら水が湧いてきますし、水質も綺麗です。そういった土地の特徴を活かせる葉野菜を中心に栽培していることで美味しい作物がつくれているのだと思います。

また、日々の業務で特に土づくりには力を入れています。有機肥料だけではなく収穫した作物の切れ端を加えています。そうすることによって土に養分も残るので連作障害を防ぐことができます。キャベツなども年に2回収穫しますが、毎回大きく成長して卸先の店舗でも好評です。

美味しい野菜をつくる
消費者とのつながりが糧に

美味しい野菜をつくれるようになり、購入した方から「美味しい」と言ってもらえることが多くなりました。それは嬉しくてとても達成感を感じます。最近では卸先のネット販売などで口コミなどもみる機会があり、全国からの喜びの声をいただいた時にはとても励みになっています。さらにはリピーターにもなってくれる方もいて、私の作った野菜が食べた皆さんの喜びにつながっているのだと実感しています。

これからは自分で販売することにも挑戦してみたいですし、この農場での直販もしてみたいとは思っています。しかし、直販するには今の人手では厳しいと感じています。今は定年した父と一緒に成長する作物を楽しみながら日々働いていますが、人手を増やすと今充実しているワークスタイルが変わってしまいますし、一緒に携わる人に同じスタイルで働いてもらうのも難しいと思っています。これからの時代にあった農家としてのワークスタイルを考えていく必要があります。そのためにも、まずはこれまで通り美味しい野菜を全国の食卓に届けることを変わらずに続けていきたいと思います。


「社会に求められる食材を栽培する」という実直な人柄の山内さん。美味しい野菜を全国の食卓に届けたいという想いの強さに農家として志の高さを感じた取材となりました。

DATA

名称
山内ファーム
所在地
沖縄県うるま市
品目
オクラ、キャベツ、サニーレタス、ハーブ、他
H P
公式インスタグラム